何度も唇を合わせて、ぬめる舌を絡めて吸い合う。溢れる唾液を飲み込めず、口角から流れ出るそれは生暖かいけど、嫌いになれない。むしろ、もっと欲しいと自ら差し出す。
「……夜一サン…」
喜助の双眸が、上がる息をそのままに深く肩を上下させている夜一を見つめた。
乳首を弄っていた指でそっと湿った内腿を滑り落ちると、おずおずと足が開いた。
そのまま指を中心に忍ばせると、とろりと蜜を零して指に吸い付く。更に指を進めると、絡みついてくる膣の感触を味わう。いくら抱いても、この締りを求めてまた何度でも欲しくなる。
「ここで、暖めてくれるんスよね…？」
指を陰茎に模して緩く上下に動かすと、喜助の指二本を咥えたまま、溢れ出る愛液を零してきゅんとそこが返事をした。
その愛らしさに気を良くして、秘密のボタンを親指の腹でこすり上げると、夜一は身を捩って悶えた。
「ひぁ…っ！あっ…、あぁ…ん」
耐え切れず漏れた淫猥な声が喜助の脳を支配する。
きゅうきゅうと締め付けてくる喜悦の小筒を自身の中心で感じたくて、指を抜き去ると、すぐさま自身をねじ込ませた。
質量の違うそれに、夜一は何度も背を跳ねさせながら咥え込む。
だらだらと涎を零し続けるもう一つの口と同様に、体はすっかり汗にまみれている。
一つに繋がった体を上下左右に揺するように動き始めた。
肉を打ち付ける音が薄暗い部屋に響く。
太い肉棒がぬめる内筒を激しく出入りする。愛液を弾きながら。
しなやかな足を片方肩に担ぎ、更に奥へ奥へと腰を突き進める。
「あん、…あっ、ア！いやぁ…っ、喜助っ…」
隣室には子供もいるから、大きな声は出せない。シーツを咥えて、声を抑える。
きつくシーツを噛んだ唇から苦しげな息を繰り返し、寄せた眉根は先ほどのような困ったような、切ない顔。頬を紅潮させて、潤んだ瞳からはついに涙が溢れる。
雨のように汗を滴らせる喜助も荒い息のまま、一心不乱に腰を動かして淫らな快楽に耽る。
その目は喘ぎ悶える夜一をじっと見たままで、彼女の達する瞬間を待っていた。
何度も繰り返してきた性交のせいで夜一は奥深くを突かれるのを好むようになっていた。口では嫌がってみても、溢れる蜜は正直にドロドロと内腿を濡らしていく。
「んっ、だめじゃっ、喜助！も、これ以上っ…はぁ！」
膣の中でしっかり感じる喜助の爆発しそうな大きさも、剛直なまでの硬さも愛しい。
昇りつめる快感は熱く、光が弾ける様に目がちかちかする。
喜助の動きに合わせるように夜一の腰も揺れる。
「やぁっ、…くぅ…ん！ん―――――！！」
徐々に大きくなるうねりと鳥肌が立つような痺れの波に、膣襞が一斉に喜助に吸い付いた。衝動に耐えようと夜一が背を逸らして喜助の背に爪をたてる。
「く…う、…っ…！！」
小さな痛みと大きな快感に喜助は獣のように低く唸り、背を逸らすように深く突き入れ天井を仰いだ。そのままゆっくりと腰を数度動かす…。
目の前がフラッシュの様に光り、現れるホワイトアウト。
数秒間彷徨っていた視覚の焦点が合うと、途端に著明なる倦怠感。
ドプドプ…と子宮に注がれる熱い体液を出すだけだして、喜助が崩れ落ちてきた。
「あ、ぁ…。気持ちいい…」
まだひくひくと蠢く襞に包まれて、柔らかな体の上でうっとりと呟く。
繋がりあった部分からびゅる、と白色交じりの愛液が漏れた。
荒い息が整うまで寒さも忘れて二人はそのまま抱き合っていた。
＜終＞
くえない二人を書くのは難しいわぁ。ラブラブでいて、かつ探り合い的な。あ、今回ちょっと官能小説を目指してみました。なのであからさま度20％UPです（当社比）。
私割りと直接表現が苦手なんですよねー（書くのが）。ぼかしたい人です。でも自分が読むのは全然平気です。ザ・矛盾。どうでもいいことですが、喜助って絶対甘え上手だと思う。夜一サンよりも。