注:藍染様や色々終わった後の設定です
誰もが寝静まった深夜。満月の光が、薄暗い室内をぼんやりと照らす。
窓の外からは虫たちの静かな声が誰かを乞うていた。
「もっと足開いてみて・・・。そう、そしたらもっと気持ちいいっスよ・・・」
言われたままおずおずと両足を開くと、男と繋がった部分に指を這わされ、その上にある一際敏感な核に触れられる。
甘い刺激に、知らず高い声が出る。
後から口を押さえても後の祭りでしかないのは分かっているのに、そうしてしまう。
「はは、窓開けてるから出来るだけ声抑えて下さいね。雨やジン太にはまだ刺激が強いっスから」
窓を閉めるなり、刺激を抑えるなり何かしら対処は出来るのに、喜助はそれをしない。
こちらが感じるのを、我慢しているのを見て、楽しんでいるのだ。
「いやらしい奴め」
「おやぁ、アタシにそんな口利いて良いと思ってるンですか?悪い子にはこうっス」
「は、ン!」
挿入したままで緩く動かしていた腰を、すばやく出し入れし始めた。
声が出てしまうから、そばにあった喜助の甚平を口に押し当てて堪える。
吐息でなんとかいきみを逃がす。声が出せたらもう少し楽なのに。
ぐじゅぐじゅと淫猥な体液の混じる音と、皮膚を打ち鳴らす音が耳に付く。
「き、すけ・・・ッ、聞こえる!」
「おっと。じゃああの子達が起きる前に、イッときますか」
動きを早めた腰は女体の奥深くを溶かしていく。
視界が涙目にぼやける。喜助のにやけた口元は、意外にも奥歯をぐっと噛んでいた。
彼から降る汗が、ぼたぼたと体を濡らす。
「ふ、・・・うっ、く・・・!」
吐息に混ざって呻く。夜一は甚平を噛んで堪えた。
喜助が腰を引くたび、粘膜まで引きずり出される様なうねりを感じ、彼が腰を押し進めるたび、体の奥に花火が散った。
あぁ、もう目の焦点が合わない。思考も薄らぐ・・・。
「夜、いち・・・サンっ、中に、中に出したいっス!・・・いいっスか・・・?」
喜助は狡い。
夜一が膣内射精を嫌うのを知っているのに、思考も体も快楽に落としてから伺いを立てる。
回らぬ思考で、首を横にも縦にも振れないのをわかっていて、腰の動きすら止めてくれない。
今夜は口に布を噛んでいるから尚更、諾も否も言えない。
もう淫猥な絶頂を一心不乱に求めるだけになってしまう。
膣の中で、喜助の一物が更に大きくなった気がした。
その刺激と、指で掠められた陰核の刺激に、夜一は達した。
「!!」
「アタシにも・・・」
そう言うと腰を深く穿ち、喜助は低く呻く。
夜一の中はまだ喜助の一物に吸い付くように収斂して、全て搾り取るかのように蠢いた。
まだ彼の腰はゆっくりと上下に動いていたが、やがて動きを止め、女の体の上に落ちてきた。
彼の荒い息がひとしきり収まると、膣から一物がずるりと抜き去られる。
「あっ・・・」
女は潮の引けが緩いから、まだ感じてしまう膣の刺激に声が出てしまう。
栓が抜けたところから、どろっと質量の多い白濁の体液が溢れ出てくる。
喜助は夜一の体から早々に離れたが、じっとこちらを見ていた。
口元には小憎たらしい笑みが戻っている。
「・・・気持ち、良かったみたいっスね」
「莫迦者・・・。息苦しくてしょうがなかったわ」
「へぇ、そう・・・。あぁそうだ。声我慢すると、感じやすくなるって知ってました?」
そうして胸に伸びてきた手を払った。
「悪戯はやめい・・・」
「あとね、夜一サン知ってます?満月の夜は、孕みやすいンですって」
ぎく、とした。
昔誰かに聞いた。生物は満月の夜に懐妊や出産しやすい、と。
「男の子かなー、女の子かなー?楽しみっスね」
「出来たとは決まっておらん。おぬし何度も中に出しておるだろ?」
「でも、今回は特別なんスよ。あの永い年月かかった一件も終わりましたし、アタシ達の罪状も晴れた。もうそろそろ本気で作ってもいいんじゃないか、と」
「それはつまり、これからも中で出すと言いたいのか?」
「そっス。もう避妊しませんもん、アタシ」
「では、おぬしとは金輪際致さぬ」
「駄目っス。そんなことしたらアタシ、夜一サンを強姦しなきゃいけなくなるんスよ!そんな夫、嫌でしょう?」
「・・・まだ正式に夫ではなかろ?」
「内縁のままでいいなんて言わないで下さいよ」
ふぅ、と大きく溜息を付いた。
もう何でもよい、と言った。
夜一も同じ事を思っていたものだから、これも相性かと年貢の納め時なのを感じた。
さて、次はどうなるだろうと密やかな愉悦が胸にこみ上げる。
<終わり>