涙でぐちゃぐちゃになった顔にすら構う余裕などない。
ギン、あんたを失うことに慣れたつもりでいた。
けれど、この腕の中で血の気が引いていくあんたを感じれば感じるほど、あたしは泣き狂った。
違う何かをしてあげれば、今とは違う結果になったのだろうか?
いや、結局あたしには何も出来なかった。
目の前の事象を受け入れることさえ、できなかったんだから。
これが本当の最後なの?
もう会えないの?
どんなに離れて行っても、戻ってきてくれていたじゃない。
あたしの為を思うなら、どうしてあたしを置いて行ったの?
信じてたのに裏切ったって、思いたくても思えないのよ。
裏切ってくれたのならどれだけ楽になれたんだろう。
いっそ、もう戻って来ないヒトだと思えたらなら。
ぐちゃぐちゃに心を踏み荒らして、ヒドイ扱いをして欲しかった。
もういっそ殺してくれたなら…―――――良かったのに。
おかしいわ、あんたの顔をしっかりみたいのに、視界が霞んでどうしようもないの。
ねぇ、おかしいわ。
あんたが微笑んでいるように見える。
ギン。
ギン、ねぇギン。
答えてよ。
あたしのこと少しでも好きなら、その目を開けて。
そして全て嘘だと、嘘だと云って。
帰ろう、乱菊って、名前を呼んで―――――――。
<終>
書いちゃった。最短記録で書きあげた!でもギン生きてて欲しい!乱菊をもう泣かせないでほしいよう。だってギンいなくなると乱菊を慰められる人がいないよう。